この記事を読んで欲しい人
発達障害のお子さん(小中学生)をもつ保護者の方
この記事を読むと分かること
発達障害の子(小中学生)の家庭学習に「デジタル教材」が最適な理由
はじめに
私は、長年、公立小・中学校の普通学級で教師をしてきました。
毎年クラスに3~4人は、発達障害やその疑いのあるお子さんがみえて、どうしたらその子たちが、授業に集中できるか、他の子から遅れずに授業に参加できるか、学習内容を定着させることができるか等について工夫を重ねてきました。
発達障害や、その指導法に関する本も50冊ほどは読みました。
そして、教育委員会の主催する研修や校内研修などにも毎年勉強してきました。
加えて保護者の方から家庭学習の仕方や子育てのことで、何度も相談を受け、一緒に考えて支援してきました。
それらの経験を基に、発達障害の小・中学生のお子さんや、発達障害の疑いのある小・中学生のお子さんの家庭学習について、おすすめの方法をお伝えします。
発達障害の種類
発達障害といっても、様々な種類があります。また、同じ病名でも、一人一人のお子さんによって、その特性や困りごとも違います。
以下、平成29年4月5日更新の、「政府広報オンライン」の「発達障害って何だろう?」という記事から引用して説明します。
広汎性発達障害
コミュニケーション能力や社会性に関連する脳の領域に関係する発達障害の総称です。以下の2つが主なものです。
自閉症
「言葉の発達の遅れ」「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、こだわり」などの特徴をもつ障害です。最近では、自閉症スペクトラムと呼ばれることもあります。
アスペルガー症候群
広い意味での「自閉症」に含まれる1つのタイプで、「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動・興味・関心のかたより」があります。自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障害があることが分かりにくいのですが、成長とともに不器用さがはっきりすることが特徴です。
注意欠陥多動性障害(AD/HD)
「集中できない(不注意)」「じっとしていられない(多動・多弁)」「考えるよりも先に動く(衝動的な行動)」などを特徴とする発達障害です。
学習障害(LD)
全般的な知的発達に遅れはないのに、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論するなどの特定の能力を学んだり、行ったりすることに著しい困難を示すさまざまな状態をいいます。
デジタル教材がおすすめの理由
家庭学習として、「家庭教師」、「オンライン家庭教師のマンツーマンの双方向授業」、「通信教材」の3つと、「デジタル教材」を比べて、どれが発達障害のお子さんに一番合っているか、検証したいと思います。
あくまでも、私自身の知見に基づくものです。
また、お子さんの特性によっては、必ずしもあてはまらない場合があります。
自閉症やアスペルガー症候群の場合
家庭教師/オンライン家庭教師による双方向授業
「自閉症」や、「アスペルガー症候群」のお子さんの場合、コミュニケーションがうまくとれないので、対面での家庭教師による指導や、オンラインで家庭教師との双方向授業をするとなると、先生が言ったことが通じなかったり、先生の質問にうまく答えられなかったりすることがある場合が多いでしょう。
通信教材
興味に偏りがあるため、定期的に送られてくる決まった教材の中には、興味に合わない物があって、全く取り組まないことも考えられます。
私の受け持ったアスペルガーのお子さんの場合、好きなことにはすごく集中して取り組み、高い能力を発揮するのですが、やりたくないことは、だれが何と言おうが、絶対にやらない、というところがありました。
デジタル教材
デジタル教材だと、したいときにしたい教科、単元に取り組むことができます。また、上の学年の課題を先取りしたり、下の学年の課題に戻って何度も取り組むこともできます。
そのため、興味やできることに偏りがある自閉症やアスペルガー症候群のお子さんにぴったりの学習法です。
注意欠陥・多動性障害(AD/HD)の場合
家庭教師
「注意欠陥・多動性障害」(AD/HD)のお子さんの場合は、家庭教師の指導中にすぐ動き出してしまったり、他のことを始めたりしてしまうことがある可能性があるでしょう。
オンライン家庭教師による双方向授業
「注意欠陥・多動性障害」のお子さんは、オンライン家庭教師の双方向授業をしようとしても、約束の時間に画面の前に行かなかったり、途中でどこかに行ってしまったりする、といったアクシデントがおきてしまうことが考えられます。
通信教材
通信教育で課題を送って添削して返してもらう形も、合わないでしょう。
なぜなら、興味・関心が持続しない傾向があるからです。
前やった問題の間違いをチェックして、間違えた問題をもう1度やり直す作業には、なかなか取り組むことができない場合があると思います。
そのため、課題をやりっぱなしになり、成果が上がらないことが考えられます。
デジタル教材
「デジタル教材」だと、いつでもしたいときに学習することができ、途中で止めたり、繰り返し見たりすることができます。
また、問題を解いたらすぐに、正解か不正解かの確認ができるので、集中力が途切れません。
さらに、教師の授業動画だけでなく、アニメーションやきれいな図で説明したり、パソコンのキーで回答を入力したり、興味を引く色や音を使って、すぐに正解や解説が画面に現れたりすることで、お子さんの集中力が途切れない形で学習に取り組むことができます。
私の受け持った注意欠陥多動性障害のお子さんの多くが、動画や映像には、高い関心をもち、じっと集中して視聴することができていました。
また、コンピュータの授業では、キーボードを上手に操作して、学習クイズに挑戦したり、マウスを上手に操ってお絵かきをしたりすることができていました。
そのため、「デジタル教材」は、注意欠陥多動性障害(AD/HD)のお子さんにぴったりの学習法だと思います。
学習障害(LD)の場合
家庭教師
家庭教師が、発達障害専門の先生の場合はよいのですが、障害のことに詳しくない先生ですと、お子さんにとって、よい結果が出るとは限りません。
文字をパーツに分けて覚えさせるとか、たくさん並んだ文を読みやすくするために蛍光ペンで線をひく、などの支援が必要だからです。
オンライン家庭教師による双方向授業
学習障害のお子さんが、オンライン家庭教師によって学習するメリットはあまりないと思います。
なぜなら、学習障害のお子さんの場合、読み書きや計算が主な学習内容になります。
字の書き間違いや、計算の答えの間違いを指摘するだけなら、わざわざオンラインで双方向授業する必要性はないからです。
さらに、課題をこなすのに精一杯になってしまう学習障害のお子さんのことですので、限られた時間の中で、こなせる問題数は少ない、という観点からも、オンラインで行うのは、メリットが少ないと思います。
通信教材
通信教材は、学校の進度に合わせて定期的に問題が送られてくるので、学力の遅れのあるお子さんが、前の学年や単元に戻って、自分の学力に合わせて学習できないことが多いと思います。
デジタル教材
デジタル教材ですと、問題を解くとき、パソコンを使って答えを入力することで、すぐに正解かどうか分かります。
そして、どれだけ時間がかかってもOKです。
さらに何度でもやり直すことができます。
下の学年の問題にも取り組むことができます。
学習障害のお子さんにぴったりの学習方法だと思います。
今まで書いてきたように、発達障害のほとんどのタイプのお子さんの家庭学習に、「デジタル教材」による学習法がおすすめです。
まとめ
いかがでしたか。
現在の状況ですと、コロナ禍で、今後またいつ、休校が続くようなことになるかわかりません。
そんな場合でも、デジタル教材で家庭学習をすることで「学びの保障」をすることができます。
是非1度デジタル教材を利用してみてください。
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